楽しく学んではダメなの?
昨年の東京オリンピックを見て驚いたことは、楽しそうにプレイしている選手が多かったことだ。数十年前のオリンピックで見た光景は、日本を背負った選手がガチガチに緊張している姿だ。しかし、現在は、自分のために楽しんでプレイするべきという考えが主流になっている。そして、楽しそうにプレイしている選手ほど良い結果を出しているようだ。逆に、結果が伴わなかったとしても、昔のように「ヘラヘラやってるな!」みたいな叱責を受けることもなくなった。
勉強やプログラミングも楽しく学ぶべきなのではないだろうか。プログラミング教材の中には、子供たちが楽しく学べるように、ゲームで使えそうなキャラクターなどが用意されていて、オナラの音源なども用意されている教材もある。大人向けのプログラミング入門書のように、まずはじめに文字列と数字の違いについて勉強し、次は制御文などとやっていたら、ほとんどの子供たちの興味や学習意欲はなくなってしまうだろう。
「ゲームなどをプログラミングしてどうするの?」という方もいると思うが、ゲームは立派なエンターテイメントであり、実は会社向けのソフトウェアなどよりも優れた、最先端のテクノロジーが利用されている。
小中学生がハイテクノロジーを使ったゲームをプログラミングできるわけではないが、Scratchでゲーム終了時に得点などを表示させようとすれば、自ずと文字列と数字の違いや、変数について学ぶことになるし、思い通りのゲームを作ろうとすれば、ループ、条件分岐、イベント、メッセージ、配列、関数などプログラミングの概念を理解しなければならなくなるだろう。また、Scratchはコードを順番通りに処理する手続き型プログラミングではなく、オブジェクト指向プログラミングに分類されており、子供たちは意識していないと思うが、オブジェクト指向の考え方も身につけるだろう。
自分のやりたいゲームを作り、その過程でプログラミングを学んだ方が楽しく、学習へのモチベーションも上がるはずだ。もしかしたら、子供たちはプログラミングを学んでいるという意識すら持っていなく、感覚的には遊びの延長なのかもしれない。ぜひ、プログラミングの授業でも、ゲームプログラミングなどを取り入れてほしい。
また、ScratchやSpringin’は、自分の作品を公開しコメントができるコミュニティサイトもあり、さらに楽しめる仕組みが提供されている。生徒にアカウントを持たせるのもオススメだ。どちらのコミュニティもしっかりしたガイドラインがあり、違反行為などはできなくなっている。